基準に満たない飲酒運転「免罪符」懸念 佐久市のひき逃げ事件遺族ら、改正法案「慎重審議を」
全国的にも異例か 中学生ひき逃げ死亡事故 車を運転していた男性の運転免許
欠格期間を延長する行政処分を来月にも行う方針 長野県公安委
2025年10月17日(金)
佐久市で2015年、男子中学生がひき逃げされ死亡した事故について、
運転していた男性の免許の欠格期間を延長する行政処分が行われる見通しであることが、
関係者への取材で分かりました。
事故は2015年、佐久市で当時中学3年生だった和田樹生(わだ・みきお)さんが、
自宅近くでひき逃げされ死亡したものです。
乗用車を運転していた男性は当時、過失運転致死の罪で有罪判決を受け、
1年間の運転免許欠格の行政処分を受けました。
男性はその後、中学生の救護より先にコンビニエンスストアに行っていたなどとして、
救護義務違反=ひき逃げの罪で起訴され、2025年2月、最高裁で実刑判決を受けました。
中学生の両親の和田善光さんと真理さんはその後、県警と公安委員会に対し、
救護義務違反についても違反点数を科し、男性の免許欠格期間を延長するよう求めていました。
その後の関係者への取材で、県の公安委員会は免許の欠格期間を延長し、
現在の男性の運転免許を取り消す行政処分を来月にも行う見通しであることがわかりました。
16日は処分を前に、本人から意見を聞く手続きが行われましたが、男性は欠席したということです。
処分は全国的にも異例とみられます。
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2026/06/23
交通事故被害者の遺族でつくる「交通事故調書の開示と公正な裁きを求める会」が
国会で審議されている自動車運転処罰法改正案の見直しを求めている。
改正案は、従来法で要件があいまいとの批判があった危険運転致死傷罪の飲酒運転と
高速走行について、数値基準を設けて適用条件を明確化。
近く衆院法務委員会で審議し、本会議で採決される見通しだ。
同会は、数値に満たない事故が適正に処罰されない可能性を懸念。
関係議員に意見書を提出し、慎重な審議を求めている。
従来法は、同罪の対象となる飲酒運転について、アルコールなどの影響で正常な運転が困難な状態―と規定。
改正案では「呼気1リットル当たりアルコール0・5ミリグラム以上」
または「血液1ミリリットル当たりアルコール1ミリグラム以上」を対象とし、数値で明確化した。
これに対し、求める会は2025年の警察庁統計を基に、飲酒による交通死亡事故125件のうち、
酒気帯び運転(呼気1リットル当たり0・15ミリグラム以上)の基準値以下が12件、検知不能が17件あり、
全体の2割以上を占めると説明。基準に満たない事案について、
「免罪符」として機能する可能性があると懸念し、5月に意見書を提出した。
同会会員で、佐久市で15年3月に起きた死亡ひき逃げ事件で
長男の和田樹生(みきお)さん=当時(15)=を亡くした母の真理さん(54)も不安を抱いている1人だ。
この事件では、男性が車で樹生さんをはねた後に自身の飲酒を隠そうと現場を離れ、
コンビニエンスストアで口臭防止用品を購入して服用。現場に戻って樹生さんを見つけ、救護した。
男性はその後の呼気検査でアルコールが検知されたものの、呼気1リットル中の濃度は0・15ミリグラムに満たなかった。
地検佐久支部は、道交法違反の酒気帯び運転やひき逃げなどでの起訴を見送ったが、
真理さんらが再捜査と起訴を求める不服申立書を提出。ひき逃げの罪での起訴につながり、
25年2月に最高裁で実刑が確定した。
真理さんは「条文に数値が入ると、それが最初の判断基準になる」と指摘。
実際の事故の状況や悪質性について「危険性がきちんと評価されないのではないか」と訴える。
犯罪被害者支援に関わる高橋正人弁護士(東京)は、呼気1リットル当たりの
アルコール濃度が0・5ミリグラム以上という基準は高過ぎると指摘。
認知機能に影響を及ぼす値としては、同0・25ミリグラムで十分だとしている。
求める会が提出した意見書では、数値未満でも酒酔い運転が成立し得る現行の実質判断を維持すること、
客観的証拠(血中アルコール濃度など)に基づく全国一律、
高精度な捜査体制の整備を制度的に担保することなどを求めている
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