同じ事故で3度目の裁判は逆転無罪、
長野の中3ひき逃げ
佐久市で2015年、中学3年生だった和田樹生さん=当時(15)=が車にはねられて死亡した事故で
直ちに救護・報告義務を果たさなかったとし、過失致死罪での有罪判決確定後に改めて
道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた北佐久郡御代田町の会社員池田忠正被告(50)の控訴審判決で、
東京高裁(田村政喜裁判長)は28日、一審の長野地裁判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。
「救護しなかったと評価することはできない」などと判断した。
被告の弁護人は取材に「コメントを控える」とした。
長野地裁は昨年11月、懲役6月(求刑懲役1年)の実刑判決を言い渡していた。
被告は15年9月に過失致死罪で禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決が確定していたが、
地裁は「過失致死罪と今回の道交法違反罪の訴因が(別々に起訴できる)併合罪の関係にある」とし、
同じ事件を再び裁くことを禁じた「一事不再理」には当たらない―と判断。
公訴権乱用との弁護側主張に対しては「過失致死罪の判決後、遺族からの告訴を受けて捜査に着手しており、
検察官が殊更に起訴のタイミングをずらした事情は見当たらない」として退けていた。
弁護側は「現場を離れたものの速やかに現場に戻って救護し、駆けつけた警察官に事故を報告した」として
「ひき逃げには当たらない」と無罪を主張していた。
だが、地裁は「救護等の措置以外の行動に及ぶことでその措置を遅延させており、救護・報告義務に違反する」とし
「飲酒を隠して罪を軽くするための行為を優先させるなど、自己保身を優先した行為は
身勝手で自己中心的。強く非難されるべき」と指摘していた。
一審判決などによると、被告は15年3月23日午後10時7分ごろ、佐久市佐久平駅北の交差点で
横断歩道を歩行中の和田さんを車ではねて多発外傷を負わせたが、
直ちに救護や警察への通報など必要な措置を直ちに行わず、飲酒を隠すため車から約50メートル離れた
コンビニエンスストアで口臭防止用品を購入したなどとされた。和田さんは搬送先の病院で死亡が確認された。
被告はこの事故で他にも道交法の速度超過罪で公訴棄却の判決が
19年3月に言い渡されて確定しており、3度目の判決だった。
