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裁判傍聴報告です。

2月7日最高裁第二小法廷で、2015年3月23日に発生した和田樹生くん死亡事件の
3度目の刑事裁判である 救護義務違反の可否についての判決言い渡しがありました。

38席の傍聴席に対し83名の傍聴希望者でした。

法廷に入り着席後祈りを込めてノートに「原判決破棄」とだけ書き裁判官の入廷を待ちました。

裁判長は「判決 原判決を破棄。控訴は棄却とする」と述べ
その瞬間から法廷内にはすすり泣く声が響き渡りその中で判決理由が粛々と述べられました。

私も泣きながらメモを取りました。なので完全に書き取れきれてませんが書き留めたことの報告です。

裁判長は、道交法72条1頂前段は被害者の生命、身体の保護のほか被害の拡大を防ぐ措置を定めたもので
保護法益上直ちに車両を停止し負傷者の救護を臨機に解すべきである。
救護義務とは現場の状況に応じてけが人の救護や危険防止のため必要な措置をすることで、
被害者を見つけられていないのに、 救護と無関係の買い物のためにコンビニに向かった時点で、救護義務に違反した。

被害者の救護に無関係な行動を行なった被告人は「直ちに」「臨機に」救護活動を講じていないものである。
したがって救護義務の法令違反があったものであり、その行動は著しく正義に反するものである
とし、一審判決の懲役6ヶ月の判決支持としました。
どのような理由があっても優先すべきは被害者の生命身体の保護、救助であり
それは「事故後直ちに」「臨機に行われなければならず」「それに無関係な行動をした時点で」
救護義務の法令違反という最高裁の自判が言い渡されました。

約10年の和田さんご家族の闘いは、最高裁判例を残す結果で終わりました。
加害者は事件から10年の時を経て、樹生くんの命と真摯に向き合うべく刑務所へ入ることになりました。

今回のこの新たな最高裁判例が今後誰かの救いとなりますよう、
そして何よりこれから先この永き月日を戦い抜いた 和田さんご家族が心落ち着く生活が送れますよう心から願います。


会見には交通事故調書の開示と公正な裁きを求める会の代表として同席させていただきました




<社説>ひき逃げと救護 「直ちに」は「直ちに」だ

2025年2月11日 東京新聞

 車で中学生をはねたが、飲酒を隠そうと一時的に現場を離れた運転者に対し、
最高裁は「救護義務違反(ひき逃げ)に当たる」と逆転有罪判決を言い渡した。

道路交通法は救護措置を「直ちに講じなければならない」と定めるが、
最高裁は「直ちに」を厳格に解釈した。常識に沿う判断と言えよう。

 判決によると2015年3月、長野県佐久市で中学3年の和田樹生さんが乗用車にはねられた。
運転していた池田忠正被告は現場で和田さんを発見できないまま、事故前の飲酒を隠すため、
近くのコンビニで口臭防止用品を買った。

その後、現場から45メートル近く離れた場所まではねとばされていた和田さんを見つけて
人工呼吸したが、和田さんは死亡した。

 一審長野地裁は「飲酒運転の発覚回避を優先し、直ちに救護したとは言えない」と、
ひき逃げで懲役6月の実刑判決。
しかし、二審東京高裁は「1分間余の買い物の後で人工呼吸をしており、
救護義務を果たす意思は失っていなかった」と一転、無罪を言い渡した。

 これに対し最高裁は「直ちに」とは「状況に応じて必要な措置を臨機にとること」とし、
被告は引き続き被害者を捜す必要があったのに「(救護と)無関係な買い物のためにコンビニに赴いており、
救護義務に違反した」と断じた。

さらに二審判決を「違法で、破棄しなければ著しく正義に反する」と厳しく批判し、一審通りの実刑とした。

 この事故では当初、被告は自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪だけで起訴され
、猶予付き判決が確定。ひき逃げについて長野地検佐久支部は「嫌疑不十分」で起訴しなかった。

検察審査会が「不起訴不当」を議決しても、なお起訴を見送ったが
、和田さんの父善光さんと母真理さん=写真=はあきらめず、独自で目撃者への聞き取り、
防犯カメラ映像の分析などを行い、地検に起訴を申し入れた。
その結果、公訴時効ギリギリで、ようやく在宅起訴された。

 両親の真相究明への努力が実った形だが、裏を返せば、検察の捜査や判断に問題があったということだ。
厳しく検証し、結果も公表すべきだろう