被告に懲役3年6月
「危険運転」は認めず 大阪地裁裁判員裁裁判

 大阪市中央区のアメリカ村で昨年5月、飲酒運転の車にはねられ3人が死傷した事故で、
自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職、白坂愛里被告(26)の裁判員裁判の判決公判が2日、大阪地裁で開かれた。
飯島健太郎裁判長は、慌ててブレーキとアクセルを踏み間違えたのが事故の原因だったとして、飲酒の影響を否定。
危険運転致死傷罪の成立を認めず、過失運転致死傷罪などを適用して懲役3年6月を言い渡した。
求刑は危険運転致死傷罪なら懲役9年、過失の場合は懲役5年としていた。

 判決理由で飯島裁判長は、事故後に白坂被告が救急車を呼ぶよう同乗者に指示していたことから、「その場に応じた行動ができていた」と指摘。
駆けつけた警察官が当初は白坂被告の飲酒に気づかなかったことも踏まえ、当時の酔いの程度は「弱いものにとどまっていた」と述べた。

 そのうえで、運転ミスで駐車場の車止めに乗り上げたり、被害者の自転車が突然視界に入って慌てたり、
「想定外の出来事が重なったため注意力が乱れた」とし、最終的にペダルの踏み間違えにつながったと判断した。

 検察側は、車を出庫させてからの度重なる運転ミスについて「飲酒の影響で認知や判断能力が低下していた」と主張したが、
判決は「結果的に踏み間違えてはいるもののブレーキを踏もうとする行動に出ている。基本的な注意義務を怠ったとはいえ、悪質とはいえない」と退けた。

判決によると、白坂被告は昨年5月11日未明、大阪市中央区で、自転車に乗っていた看護師、河本恵果さん=当時(24)=をはねて死亡させ、2人に重軽傷を負わせた。

 大阪地検は当初、白坂被告を過失致死傷罪などで起訴したが、
事故で死亡した河本さんの遺族らがより罰則の重い危険運転致死傷罪の適用を求める上申書を提出。
これを受けて地検が補充捜査を行い、昨年11月に同罪への訴因変更が地裁に認められていた。


「娘の命ばかにしている」
「すごく腹立たしい」母ら泣きはらした目で訴え…危険運転認めない判決に

「想定外すぎて頭の中が真っ白になった。娘の命をばかにしていると思う」

 事故で死亡した河本恵果さんの母、友紀さんは閉廷後に大阪市内で会見し、泣きはらした真っ赤な目でこう語った。
「飲酒運転は殺人と同じ」と訴え、危険運転致死傷罪での厳罰を求め続けてきたが、願いは届かなかった。

 被害者参加制度を利用して法廷に立ち、結婚を控えたまな娘を奪われた悲しみを、裁判員に切実に訴えてきた。
だが、この日の判決は飲酒の影響を認めず、事故原因は運転ミスだったと認定。
「不注意によるものであり、とりわけ悪質なものとまではいえない」とした。
検察官の後ろで判決文に耳を傾けていた友紀さんはがっくりとうなだれた。

 友紀さんは「危険運転の罪は認定のハードルが高すぎる。
このままでは飲酒運転はなくならない」と憤りをあらわにし、
河本さんの友人で、事故で重傷を負った林優花さんも
「世論と温度差がない判断を求めてきたが全然くみ取ってもらえず、すごく腹立たしい」と嘆いた。

  







2016年11月7日







判決は捜査段階の調書を一切採用せず、法廷内で述べられた
早坂愛里の「人の調書を読んでそうなのかなぁと思った」など、
自分の記憶でもなく憶測で述べた言葉が認められるという異例判決。

判決文を吟味すると、事実誤認というのも憚るほどに杜撰な判決内容。
それだと事件自体絶対に発生しない馬鹿げた判決に控訴を求め上申書を提出。




大阪・アメ村の3人死傷飲酒暴走
大阪地検が地裁判決不服で控訴


大阪市中央区のアメリカ村で昨年5月、飲酒運転の車にはねられ3人が死傷した事故で、
大阪地検は15日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職、白坂愛里被告(26)に
同法の過失運転致死傷罪を適用して懲役3年6月を言い渡した大阪地裁の裁判員裁判判決を不服として控訴した。


1審判決は、ブレーキとアクセルの踏み間違えが事故原因だったとして飲酒の影響を否定していた。
控訴を受け、事故で亡くなった河本恵果さん=当時(24)=の母、友紀さん(44)は
「危険運転に対しての法律のあいまいさを見直す事案としてほしい」とコメントした。