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「こんな国に産んでごめんね…」「こんな腐った世の中を見せずにすんで良かった…」
ともに我が子を事故で亡くした母親が残した言葉…親が調べて検察を動かし中3死亡事故は最高裁の判断へ、
変わらない交通事故初動捜査の問題点 信越放送2024年1月17日(水) 18:31
東京都内で2023年に開かれた犯罪の被害者家族などが集まる全国大会。
長史恵さん:
「私の大切なたった一人の弟が亡くなりました」
「警察に何度も車を見せてほしいと伝えましたが、証拠なので応じてもらえず」
「時速194キロで過失なんて」
「その後つながった人たちの間でまだ間に合う、やれることは何でもやろうと」
突然、家族を失った上、事故の捜査が適正になされなかったと感じ、苦しむ人は多くいます。
警察や検察の捜査に疑問を感じていた和田さんは、同じく中学生の娘を亡くした白倉裕美子(しらくらゆみこ)さんと出会いました。
白倉さん:
「(娘の)美紗の事件からそのときで12年という月日が経っていても、捜査のあり方すべてがまったく変わっていない。
まだこうやって苦しんでいる人がいるんだっていうことになんとも情けない気持ちになった」
北海道南幌町(なんぽろちょう)に暮らす白倉さんは、2003年、娘の美紗(みさ)さんを失いました。
美紗さんは、朝、学校に向かう途中でトラックにはねられました。
運転手は当初、自転車に乗っていた美紗さんが飛び出してきたと主張、逮捕はされませんでした。白倉さんは納得できませんでした。
白倉博幸さん:
「最初は警察が飛び出したみたいな言い方で、ダンプが来てうちの美紗が斜め横断したらしい」「美紗は絶対悪くない。信じなきゃダメだって」
白倉裕美子さん:
「交通事故だからの一言で、ただ、片付けられているような」「一切教えてくれない。どういう事故だったとか、概要、スピード、全部が秘密」
白倉さんは自ら事故について調べ始めます。
そして、現場のブレーキ痕やトラックに残された傷などから、実際の衝突の仕方が、運転手の言い分に沿った警察の調べとは違うことなどを突き止めました。
事故の2年後、検察は「業務上過失致死」の罪で運転手を起訴。しかし、裁判ではトラックの運転が「暴走とまでは言えない」などとされ、判決には執行猶予が付きました。
白倉裕美子さん
「美紗にこんな腐った世の中なんだって、車優先でどんな速度で走っても罰せられないひどい世の中を見せずにすんで、今回は良かったと思う」
和田真理さん:
「これが私的捜査した資料」
白倉さんからアドバイスを受けた和田さん夫婦は事故の状況を調べます。
して、自ら集めた証拠を提出し、告訴。
検察は事故から7年経ってようやく「救護義務違反」での起訴に踏み切り、長野地裁は2022年、懲役6か月の実刑判決を言い渡しました。
専門家は警察・検察の初動捜査の問題点を指摘します。
元検事・飽津史隆(あくつふみたか)さん:
「初動がどうなのというのはどうしても思わざるをえない」「救護という行動と相いれない行動が出てきたのであれば、そこはなんなのかという
法律に違反していないかつぶさに検証すべきこと。手間は確かにかかることだとは思います。
でもやはり人1人死んでるし、そこはきちんと捜査しなければいけない」
2023年に開かれた和田さんの事故の控訴審。
東京高裁は、男性がコンビニへ行っていた時間や距離が短かったなどとして、地裁の判決を破棄し、逆転の無罪を言い渡しました。
和田真理さん:
「こんな国に産んでごめんねとしか言えない」
司法に絶望する和田さんの言葉。
およそ20年前に白倉さんの口から発せられた言葉と重なります
白倉さん:
「子どもを奪われる、殺された死んでしまったって、それを受け止めるだけで地獄のように呼吸するのも苦しい中、真実を求めて活動をなぜ親がしなければいけないのか。
親がなぜ子どもが亡くなる瞬間の検証をしなければいけないのか。それがいまだに続いている」
和田さんと白倉さん2人の言葉は司法関係者にどう響くのか。
和田さんの裁判は検察が上告していて最高裁判所の判断が待たれます。
危険運転致死傷罪に「数値基準」 適用判断変わるか 改正法21日施行
2026/7/12 北海道新聞
飲酒や速度超過による悪質な運転を厳正に処罰するため、
「危険運転致死傷罪」の要件に数値基準を導入する改正自動車運転処罰法が21日に施行される。
これまでは適用基準があいまいで、北海道内でも「過失運転」との線引きを巡り検察の判断が揺れ、
遺族が翻弄(ほんろう)されるケースがあった。
遺族は「法律が適切に運用され、苦しむ人が減ってほしい」と期待する一方、「数値基準が甘い」と懸念も抱く。
■食事の約束、交わした直後に 「きょうは焼き肉に行こうね」-。
ハンドルを握りながらスピーカー通話をしていた妻と、そんな約束を交わした直後、妻の叫び声が聞こえた。
「生きてる? 死んでる?」。電話口の向こうから知らない声が聞こえ、事故を知った。
危険運転致死傷罪の改正 6月25日に成立した改正自動車運転処罰法で、適用する要件に数値基準を新設するなどした。
飲酒運転のアルコール量は「血液1ミリリットル当たり1.0ミリグラム以上」または「呼気1リットル当たり0.5ミリグラム以上」。
高速度運転の超過幅は法定速度が時速60キロ以下の道路で「50キロ超」、60キロを超える道路は「60キロ超」とした。
これまでは飲酒を「正常な運転が困難」、高速度を「進行を制御することが困難」と規定するのみで、解釈の余地が大きいとの指摘があった。
数値基準を下回った場合でも立件する余地を残すため、改正後も飲酒は「正常な運転が困難」との規定を残し、
高速度は「道路や交通の状況に応じ、重大な交通の危険を回避することが著しく困難」との規定を加えた。
旭川市の会社役員中島康博さん(53)の妻朱希(あき)さん=当時(38)=は2016年5月4日夜、市内の国道で車を運転中、
対向車線から中央分離帯にぶつかって飛び出してきた車に衝突され、命を落とした。運転していた男の呼気からは基準値の3倍のアルコールが検出された。
捜査の結果、男は自宅で飲酒後、車内でも缶ビールを飲み、時速120キロ近くで走行していたことが判明。
だが地検は「ハンドル操作ミスが原因」として過失運転致死罪などで起訴した。
中島さんは弁護士とともに、地検や高検に申し入れを重ね、開示された証拠と過去の判例をもとに
「危険運転が成立する」と主張。事故から約2カ月後、地検は危険運転致死罪に訴因を変更した。
一、二審とも同罪の成立を認め、19年に最高裁で懲役10年の実刑判決が確定した。 当時5歳の長男を育てながら、教員として働いていた中島さんは
「最初から適切に判断されていれば、余計に苦しまなくて済んだ。訴えなければ『過失』のままだったと思う」と振り返る。
危険運転致死傷罪の適用要件を巡っては、悪質な事案でも過失運転致死傷罪にとどまるケースがあり、遺族の批判が相次いできた。
道内では14年7月、小樽市の海水浴場「おたるドリームビーチ」近くで女性4人が死傷した飲酒ひき逃げ事件が発生。
検察は当初、運転手を過失運転致死傷罪で起訴したが、厳罰を求める遺族らの署名活動などを経て危険運転致死傷罪などに切り替えた。
運転手は懲役22年の実刑が確定し、後に北海道が「飲酒運転根絶の日」(7月13日)を制定する契機となった。
改正法では、飲酒や速度超過の数値基準が明確化され、飲酒はアルコール量が呼気1リットル当たり0.5ミリグラム以上など、
速度超過は主に一般道で制限速度を50キロ超えた場合などが対象になる。基準に達すれば危険運転致死傷罪が適用される。
交通事故被害に詳しい青野渉弁護士(札幌)は「大きな一歩」と評価し、これまで検察が適用に消極的だった、
直線道路での高速走行などで「適用されるケースが増える」とみる。
過失運転致死罪の法定刑の上限は拘禁刑7年にとどまるが、危険運転致死罪は最長20年。
同弁護士は「飲酒や速度超過を自覚して運転する行為を『過失』とみるのは遺族にとって受け止め難い。刑の重さとのギャップは大きかった」と話す。
数値基準を下回る場合も状況に応じて立件されるが、その際の運用や証拠の確実性を懸念する声も上がる。
「交通事故調書の開示と公正な裁きを求める会」の白倉裕美子代表=空知管内南幌町=は「基準が甘すぎる。飲酒や速度の数値を客観証拠として特定できるのか」と訴える。
警察庁の統計によると、25年に全国で発生した飲酒運転による死亡事故125件のうち、
アルコール量が呼気1リットル当たり0.15ミリグラム未満または検知不能だったケースは計29件(全体の23%)を占めた。
「危険は複合的で、数値だけでは捉えられないケースもある」と強調する。
「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」の高石洋子共同代表=江別市=も
「抑止につながるような厳しい基準にしてほしかった」という。
北海道交通事故被害者の会(札幌)の内藤裕次代表は「要件の明確化は一定の評価ができるが、
数値を満たさなければ、検察が慎重になる可能性もある。今後の判例の積み重ねを注意深くみたい」と話している。
■飲酒運転摘発者 北海道内は4年連続増
検察庁の統計によると、危険運転致死傷罪で起訴される人は近年、年間300~400人台で推移している。
2024年は前年比35人増の413人。内訳は、飲酒運転等で「正常な運転が困難」が163人と約4割を占め、
飲酒運転等で「正常な運転に支障があるおそれ」も115人いた。高速度運転は22人だった。
北海道内でも飲酒運転は後を絶たない。北海道警察によると、道内の飲酒運転による人身事故は21~25年の5年間で422件あり
27人が死亡した。全ての人身事故における飲酒運転の割合は1.0%で、全国平均(0.8%)を上回る。
また道内の飲酒運転の摘発人数は、25年は前年比44人増の814人で、4年連続で増加した。
26年は6月末時点で前年同期比12人減の391人。
道警交通部の村越俊文管理官は「飲酒運転による悲惨な事故を防ぐため、各種対策を推進する」と話す。

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