2008/5/3

遺された家族の闘い

道路交通法違反は『行政罰』なので、被害者という立場の存在者はいません。
速度違反や駐車違反と同様・・・という事です。

本来略式起訴(罰金刑)で終わっていたのですが、
この事件で初めて【酒を提供した人間】が法廷で裁かれることが決まりました。
現在まで酒提供の罪で逮捕されたのは58名。しかし、裁判が行われるのは全国初となる。
そんな中、遺族は「被害者の権利」と「立場」を明確化しようと活動をしています!!


でも「被害者なき犯罪」として扱われる道路交通法違反での起訴です。
【被害者として、事件関係者として裁判への関わりたい】と切実な願いを聞き
考えた末、証人としての出廷を求めてはどうかと提案しました。


2008年5月12日、酒を提供した飲食店店主の初公判
    (酒類提供の道路交通法違反)



思いが伝わるように作成、上申書を提出!!(概要)



被告の道交法違反(酒類提供)が行われなければ、事故は起こらなかったと思われ、その罪は重大であり、被告の犯罪行為と私共被害者等には密接な利害関係が認められる

1 意見陳述および供述調書聴取または証人尋問の申請

本件と被害者遺族等との利害関係は明らかなものであり、被告の犯罪行為により家族の命が奪われ、弟妹は重篤な怪我を負わされるなど結果は重大。

私共は、今回の事件の発生原因に重大な関与である酒類提供および飲酒運転黙認を行った被告の被害者でもあると考え、本件裁判において意見陳述を申請する

被告事件に深い関心を持つ被害者に対し、公判の場で意見陳述を行うことは、『刑事裁判が被害者の心情を直接踏まえた形で行われることにより、主体的に陳述の機会を与えられた被害者にとっては、被害感情のある程度の緩和が図られ、さらに被告人に対しても直接被害者の陳述を聞くことによる刑
事的政策的効果がある』とされている。

2 刑事記録の閲覧謄写について

犯罪被害者等基本法(3条)の『すべての犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する』との理念に基づき、11条においては国や公共団体は被害者に適切な情報を提供することを義務付けている。

被害者保護法概説書には、被害者保護法の閲覧・謄写は民事裁判に必要なほか、刑事訴訟法292条の2の意見陳述に必要な場合も含まれるとされている。

上記に述べているように、私共は被告の酒類の提供による飲酒運転事件の被害者等であり、明らかに相互に関連するものであることから、犯罪被害者の権利として第一回公判後の速やかな刑事記録の閲覧・謄写を申請する。

被害者保護法の成立および刑事訴訟法292条2の意見陳述を認める改正は一括法案であることから、立法趣旨を考えれば意見陳述と記録の閲覧謄写は相互関連が認められる。

「犯罪被害者の意見が適切に裁判所に反映されるよう、また、公判期日の設定にあたっても、犯罪被害者等の希望が裁判所に伝えられるよう、適切な形で検察官が犯罪被害者等とコミュニケーションを取ること」の徹底が図られているはずだ。

当事者遺族が部外者であるなら、本件事件の被害者が不在であるという事になる。酒の提供と飲酒運転を黙認した結果、家族が被害にあった。被告がせめて運転を静止していればこの事件は起こらなかった。私共は本件事件被害者である。犯罪被害者として正当な扱いを受ける権利があると主張すると共に、犯罪被害者の尊厳を守っていただき、犯罪被害者の権利が行使できる状況にしていただきたい

検察の対応(2008/5/1現在)

道路交通法の3つは(酒類提供罪・同乗罪・車両提供罪)に関しては、

・社会的利益(交通事故をなくす為であったり・飲酒運転)をなくす為のもの。

  被害者と加害者だとの認識はない

・運転手と飲食店店主(酒類提供罪)の利害関係しか発生しない

酒を提供したから、人が死ぬわけではない

・意見陳述に関しては、「被害者」として「被害者」に対す権利は、小沢さんにはない

法律上は「被害者ではない」

意見陳述に関しては、検察庁としても、検事としても無理



私はこの返答に憤りを感じ、再度上申書を書いてみました。
この裁判で被害者として位置づけられるのか、当事者として認められるのか。
重要な判断が下されることになります。

上申書

                                                               
 平成20年5月7日

「酒の提供を行った」=「人が死ぬわけではない」について
 検事の言う、「酒類の提供をしたからと人が死ぬわけではない」との発言は確かです。ただしそれは一般的にお酒を楽しむことが前提で、その発言ですと検事はある種、飲酒運転を認めているものと反論せざるを得ません。

本件は、酒の提供だけではなく、外まで見送りを行い、飲酒運転を黙認したというものです。被告の行為が飲酒運転幇助であり、私共はその被害者です。
解釈を変えれば、大久保は酒を提供した、運転手・玉川は酒という娯楽の提供を受けただけという関係になり、『酒の提供=人が死ぬわけではない』のであれば、被告大久保と運転手・玉川との利害関係も存在しないもではないでしょうか。

酒の提供=人が死ぬわけではないつまり飲酒運転=事故を必ず起こすわけではないという社会理念上大きな問題をなる方程式が出来上がるのではないでしょうか。
「酒を提供したから、人が死ぬわけではない」という考えは『飲酒運転させない、しない事』が条件の一般論であり、本件が飲酒運転に密着していたことは事実なのですから、私共と被と利害関係が認められないとする事に強く反論いたします。


本件においては「酒の提供をしたから、人が死んだ」のです.

本件裁判における被害当事者の参加の意味
 酒類を提供するものは、責任を持って酒を提供しなければなりません。
『社会的利益』つまり交通事故をなくす、飲酒運転をなくすためです。社会的利益を犯したため本件裁判が行われるのですが、社会的利益を犯した末人命が奪われている事実が結果としてあるのです。

酒を提供し、飲酒運転を黙認した安易な行動、考えが取り返しの付かない大きな結果を招いたことを、強く述べる権利があると主張します。

さらに以前より多少の厳罰化があったものの、まだまだ道路交通法自体の刑罰は非常に軽いものです。『車を運転するものに酒類を提供する』と言うことが、どれだけ悲惨な結果を導くのか、私共はどうしても被告自身に法廷で伝えたいと強く思っています。被害者の声を直に届けることこそ、本件裁判に大きな意味があると思います。

意見陳述(証人尋問)に対して
 3者の合意が必要であれば、3者の合意の有無を問うべく申請していただきたく思います。検察は被害者からの要望があれば裁判所に通達する義務があるのにもかかわらず、行使する前に、検察庁の独断で判断を決定することは法に反する事態です。


この裁判は、今後の判例となっていく裁判だと認識しています、その裁判において検察庁が飲酒運転の黙認による4名の死傷事件家族を部外者と位置づけている事実、意見陳述の申出の通達すら裁判所に対して行わないなど悪しき事例を作り上げようとしています。
検事は犯罪事実の立証と共に、犯罪被害者遺族に対しても誠心誠意尽くすべきです。検察庁や検事が、意見陳述を阻止することは認められず、検事が裁判所に対し通告し、裁判所から私共に対し正式な返答が来るべきであると考えます。つまり、検察庁や検事が独断で犯罪被害者の権利の行使の有無を決めてしまうことには大きな問題があり、今後、刑事裁判への被害者参加は行われるにあたっても検察官の許可が必要とされる被害者に対しての信用問題にも発展します。なにより被害者の声を検察庁内で勝手にもみ消してしまうことは許されない事だと思います。

したがって、再度本件への裁判参加と意見陳述または証人尋問の請求をいたします。





2008/5/8  

裁判所から1名の『証人尋問』認められる

の事件に「被害者はいない」と蚊帳の外に置かれていた小沢夫妻ですが、
諦めない粘り強い活動が、まず1つ実を結んだといえるでしょう。
遺族としての『意見陳述』には至りませんでしたが、
関係者として、それも被告の情状の為ではない証人です。
道交法・酒類提供での全国初の裁判。そして被害当事者として認められたことが
とても大きな意味を今後も持ち続けるでしょう。

今後、夫婦で証人尋問ができるように裁判所に対し、5月9日上申書をする予定です。



       ~2008年5月12日 酒店店主の酒類提供の裁判です~
そして、裁判支援をお願いします!!
世間的な関心が高いと裁判官に知らしめることも
刑事裁判では重要なことのひとつです。
埼玉県はじめ近郊の方々、事件の悲惨さや裁判と言う場での
被害者の立場を知る上でも
裁判所に足を運んでください!!