ひき逃げで3人死亡、酒気帯び容疑の男逮捕へ 北海道・小樽

2014/7/13付
日本経済新聞 電子版


13日午後4時半ごろ、北海道小樽市銭函3の市道で、女性4人が車にひかれて倒れているのが見つかり、
うち3人が搬送先の札幌市内の病院で死亡が確認された。

死亡した3人は1人が30歳、2人が29歳。
もう1人の女性(30)は一時心肺停止状態だったが、意識を回復。複数箇所を骨折しており、重傷という。

小樽署は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)の疑いで
札幌市の30代の男の逮捕状を請求した。

男は「私が事故を起こしました」と容疑を認め、
「朝から近くのビーチで酒を飲んでいた。携帯電話を操作しながら運転していた」と話している。

道警によると、女性4人は友人同士で、全員が道内在住。
海水浴を終えて徒歩で駅に向かう途中に、道の端を歩いていてはねられた。

男は4人が倒れていた現場から離れた路上に車を止めて車外に出ていたところを職務質問された。
事情聴取の際に男の呼気からアルコールの臭いがしていたという。

現場はJR小樽駅から南東へ約18キロの幹線道路から、海水浴場「おたるドリームビーチ」に通じる見通しのよい直線道路。
海水浴場は札幌などからの遊泳客らで夏はにぎわう。はねた車は前部やボンネットが大きくへこみ、路上に水着が散乱していた。

小樽市の個人タクシー運転手(58)は「海水浴場で遊んだ人が、JRの駅へ向かって歩いているのをよく見かける。
近くの国道から海へ抜ける道で、イベントがあると、若い人の車がよく通る」と話した。

事故現場近くで会社を経営する男性(74)は「海岸に近い道路は歩道がない。
スピードを出す車もあり危ない印象だった」と話した。〔共同〕



署名活動を展開 危険運転致死傷罪の適用を求めて

署名は、11月7日札幌地検に追加提出(3,526筆)を行い、総計で7万7千858筆に達しました。


 

小樽飲酒ひき逃げ4人死傷事件ですが、札幌地方検察庁は本日10月24日、
訴因の変更を札幌地裁へ請求したとの説明を被害家族と代理人弁護士に行いました。


地検へ要請(8月20日)してから64日を経ての「判断」ではありますが、
賢明な訴因変更に、被害ご家族は一様にほっと胸をなでおろしていました。


札幌地検が要請書に訴因を変更した理由は、
最高裁決定のある福岡事件と同様の内容であり、認定の論理が同じである。弁護団等から指摘のあった補充捜査も行ったと説明
私たち7・13連絡会が地検宛て要請書、および最高検察庁宛て上申書(9月24日付け)で要請した本旨を認めた形でした。

札幌地方裁判所は11月13日、地検からの訴因変更請求を認める決定を行いました
これによって小樽事件の被告は正式に危険運転致死傷罪で起訴され、裁判員裁判が行われます。


小樽飲酒ひき逃げ判決要旨
被告は事故前日から睡眠をとらず、当日の午前4時30 分ごろから正午すぎまでの7時間半近く、
つまみを口にす ることなく、分かっているだけでも生ビール中ジョッキ4 杯、缶酎ハイ4,5缶、
焼酎のお茶割り1杯を断続的に飲み 続け、完全に酔いつぶれた。 2

時間程度寝込んだ後も海の家の厨房に(ちゅうぼう) 全裸で入るなど、
第三者から見ても、まだ酒が残ってい るとうかがわれる行動をとっている。
運転開始直前でも 「まだ二日酔いのような状態で体がだるく、目もしょぼ しょぼしていた」というのだから、
酒の影響による体調の 変化を自覚するほどの酔いが残っていたと認められる。

現に事故から44分後に呼気1リットル当たり0.55ミリグラ ムのアルコールが検出されたほか、
警察官の事情聴取中にうとうとしたり逃走経路を正しく案内できなかった

現場の直線道路に入ってから衝突地点までは約440メ ートル。
被告が立ち会った実況見分によると、約160メー トル手前から被害者らを人として認識可能だった。
被告は時速50~60キロで車を進行させ、被害者4人を次々と はね飛ばした。

被告は直線道路に入って3,4秒後にズボンのポケットか らスマートフォンを取り出した。
途中で2回顔を上げたというものの、被告人質問で再現した動作を見る限り、
単に 顔を上げただけで前方確認とは到底言えない。ほぼ画 面だけを見続けるような運転だった。

被告の証言を基に計算すると画面を見続けていた時間は15~20秒となる
そもそも時速50~60キロで車を走行させながら、15~2 0秒も下を向き続ける運転態様自体が「よそ見」というレベルを
はるかに超える危険極まりない行動だ。

自殺行 為に等しく、正常な注意力や判断力のある運転者であれ ば到底考えられない。
正常な運転が困難な状態にあっ たことが客観的に見て明らか。 異常な運転は、表面的にはスマホの操作によるものだが、
注意力や判断力をほぼゼロに等しいくらいに失って いたからにほかならない。

被告は歩行者が通ることもあ ると分かっていたのに、歩行者の確認について全く意識 すらしていなかった。
単なる油断では説明が付かない著 しい注意力の減退や判断力の鈍麻は、常識的に見て酒 の影響によるものとしか考えられない。
被告は「酒が残っていなくても今回の事故を起こして いた」と述べるが、あれだけの運転をしながら、
何の根 拠で酒の影響が全くないと言い切れるのか理解に苦し む。

アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で車 を走行させ、人を死傷させたことは明らかだ。
酒による 体の変調を自覚し、危険な行為も余すところなく認識し ているのだから、故意も問題なく認められる。
なお、被告は「普段もスマホを操作しながら運転する ことがあった」とも述べている。
仮に被告が今も普段の よそ見と同じと考えているなら、運転とは名ばかりの行 為を運転と言うに等しく常軌を逸している。

【刑を決めた理由】
高校時代からの仲良し4人組だった被害女性らは海水 浴を楽しんだ後、危険運転の犠牲となった。
被害者や 遺族の思いは、このような悲惨な事故がいかに多くの人 の人生を狂わせ、どれだけ時間がたっても癒やすことが
できない深い傷を与えるものかを物語る。
今回の事件は、アルコールの影響による危険運転の 類型の中で、これまでの例を相当上回る重みがあると考 えられるし、
ひき逃げまでしている。被告が謝罪してい ることなどを考えても、懲役22年が相当だ。 (
北海道新聞2015年7月10日より)


7月13日は、小樽ドリームビーチで起きた3人死亡1人重傷という許し難い飲酒ひき逃げ事件の日です。
昨年12月1日施行の「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」は、第15条(下記)でこの日を
「飲酒運転根絶の日」と定め、道民一体となり、「飲酒運転をしない、させない、許さない」の取組みを行なうこととしました。

この日、北海道や札幌市、各総合振興局などが、全道14の会場で「飲酒運転根絶の日 決起大会」を開催し、
以下の会場では、被害者の会を通して講師依頼があり、会員が飲酒運転根絶と交通死傷ゼロを強く訴えました。

空知局  岩見沢市文化センター 11:00~  講師:白倉裕美子さん
渡島局  函館市芸術ホール 14:00~ 講師:高石洋子さん ※ここは7月11日です
上川局  旭川市市民活動交流センターCoCoDe 14:00~ 講師:山下芳正さん
留萌局  留萌合同庁舎 13:30~  講師:伊藤博明さん
宗谷局  宗谷合同庁舎 13:30~  講師:前田敏章




2016.7.14 飲酒根絶の日 北海道新聞(小樽版).pdf へのリンク