国際被害者学シンポジウムワークショップ参加
「被害者の声をもとに被害者参加制度を考える」

時間 2009年8月24日 10:30~12:30
場所 常磐大学 H棟 (同時通訳付)

2008年12月から導入された刑事裁判への被害者参加制度において、
被害者は一定の重大な事件について刑事裁判の公判期日等に出席するとともに、
証人尋問や被告人質問を行い、検察官と別に論告を行うことが認められることになりました。

このワークショップでは、制度成立の前後に刑事裁判を経験した被害者、
被害者参加弁護士、被害者参加制度に詳しい学者それぞれの立場からお話を伺った上で、
諸外国からの参加者を交え国際的な観点を含めた議論を行いました。




27年ぶりの日本開催という貴重なシンポジウムに
パネリストとして参加させていただきました。


何を一番強く思ったか。
それは『もう一度新制度のもと、刑事裁判をやり直したい』
被害者参加制度を行使したいと。

被害者参加制度においての被害者側の弁護人については
・裁判において今まで「代理人」という立場がなかったので、勘違いしている弁護士がいる
(被害者の代理という立場を分かっていない)
・検察との関係上で嫌がる弁護士がいる
・「検察官の言うことを聞いていればいんじゃない」と断る弁護士が存在している
・・・・・などの話がありました。

検察から「弁護士をつけるなら参加させない」と言われたという意見もありました。
まず、受けてくれる弁護士を探すことが大変な現実があるようです。
弁護士をつけなくても、被害者参加制度に参加できますが
私は、弁護士は付けて裁判参加を行う方がいいと思いました。
被害当事者だけよりも、弁護士がいることで正確な情報入手が早く行えると思います。

公判前の情報公開が可能になったということは、大きな1歩です。



被害者側が公判前整理手続き段階で情報をしっかり得ることができるなど
現時点において、記録謄写までは認められていないものの、
被告や証人に質問するために必要な情報の開示は行われているなど、
自分たちの時と比べて、大きく変わってきている犯罪被害者の立場を知りました。

ただ、「いいですよ」と言われていた記録謄写が突然「やはり認められません」と
態度を直前で変える検察が多いことにも驚きました。
これは認める方向での統一していただきたい。


旧制度はいかに閉鎖的であったか思い知りました。再確認です。
「権利が与えられた」というより『当然の権利が行使できるようになった』と考えますが
ここまで来るのに、とてもとてもたくさんの活動や訴えを行なってきた被害者の方々がいます。

「被害者が先頭に立っての法改正はこれっきりにしてほしい」
あすの会の岡村先生の言葉ですが重いです、この言葉は。
しかし諸外国の方にはこの言葉の意味が伝わっていなかったようで、とても残念。
その後の内閣府・法務省・警察の講演後、
外国人が「日本の被害者制度は被害者給付金の制度があって素晴らしい。
 ぜひ先頭にたって世界中の学会で発表してほしい」などと発言。
そこに着目ですか?!と思ってしまいます。確かに給付金は必要ですけど・・・・・


裁判をやり直したい、自分も被告人に質問したいことがあった。との思いもありますが
今後は公判前の情報開示時期を「警察段階」まで早めたいと強く思いました。
交通犯罪の不起訴率の高さから考えて、そして、被害者の得ることができる情報に格差はあってはいけない。
特に他犯罪と比べて「死人に口なし」捜査が横行している交通犯罪においては
証拠が隠滅する前に実況見分調書は最低限、開示させなければ!と誓い新たです。



余談ですが、
人生最初で最後でしょう。王女様と会食!と言っても少々遠かったですが。
開会式の特別講演に招かれていたのは、
タイ王国のBajrakitiyabha王女。
美しい王女様は法学を極めた方らしい。講演の内容も素晴らしかったですが
次席検事とかその他たくさんの華麗な経歴は、1度聞いただけでは覚えられません。
もちろん王女様は目を引く方でしたが、私はお付きの方に目が釘付けでした。
あの姿勢で長時間微動だにせず王女様のバッグを持っているとは!と感動。
そして王女様が動くと、SPなど多くの人が一斉に動く光景。
・・・庶民すぎる私の目線は変でしょうか?・・・