遺族による事件調査


衝突実験


美紗の自転車と同型の自転車を使い、美紗の自転車に残っている
衝突箇所と同じ部分に、水性塗料を塗り母が乗車。
父がトラックを運転し、自転車にぶつけるという実験を行いました。
三脚を立てビデオ撮影しながら、何度もトラックと自転車を衝突させました。
結果は、衝突痕1つ合うと他が合わないのです。
全部の衝突痕が合う態様になるには、トラックが自転車に右前方から
ぶつかってきたときでした。
自転車も私もボロボロになりました。
(見た方が驚いたようで、警察に通報されるところでした。)


自転車の走行実験

小学生、中学生、父、母、祖父、祖母・・・と様々な年齢の人を集め、
現場道路で、「何秒で渡れるか」を計測しました。
徐行してそのまま横断、一旦停止してからの横断、斜め横断の3つ。
最速で1・36秒、最長で3・42秒(斜め横断)でした。

現場道路は6m(1車線3m)。
自転車1漕ぎで4m26cmも進む事実も判明。
センターラインで衝突(警察・加害者証言)では
美紗は、徒歩の人よりもずっと遅い速度で自転車を走らせていた事になります。
自転車が道路に出てきたからブレーキ操作をしたのが
交差点手前約60m。すでに車道に出ていた自転車が
トラックが60m進む間に、ペダル1漕ぎすらしていなかったということになり
大きな矛盾が出てきました。


目撃者探し

事件自体を見たのはトラックの後方を走行していた乗用車の人だけでした。
しかし、事件発生直後には多くの方が居たようでした。
そこで、まず救急通報してくれた町内の方から話を聞き、覚えている状況を図にしてもらいました。
そこからは、「あの人もいました」という言葉を頼りに、名前の出た方全ての方々に現場まで来ていただき
多くの事件直後を現場を見た事を図にして書いていただきました。
そうして、自転車の倒れていた方向・向き・場所、靴のあった場所、美紗の倒れていた位置、
かばんのあった場所などを知ることができました。
延べ、十数名の方々の協力を頂きました。


消防署に情報開示請求

少しでも、事件当時の事が知りたいとの思いから
行政文書開示請求を行いました。
通報時間・現場到着時間・美紗の状況・病院到着時間・通報者など
知る事が出きました。

タイヤ痕からトラックの動きを鑑定

タイヤ痕の印象されている幅などを厳密に鑑定した結果、トラックは
「ハンドルを切って右に行った」のではなく
「横ずれするように反対車線にはみ出している」ことが明らかとなった。

トラックのブレーキングはおよそ50m以上。
電柱にぶつかる直線で止まったとしても時速95kmほどになる。

実際は電柱を根元から折損しさらにまだ余っていたエネルギーで左回転して停止している。
鑑定上、余ったエネルギー分は鑑定不可能と言われたが、95km以上の速度であったことは明らか。
検察も鑑定の結果同じく95kmの速度と出してきた。

法定速度50kmの道路を、これだけの高速度で走行し反対車線にはみ出し、
無関係な美紗を殺したのだから、

当然危険運転致死傷罪の『高速度による制御不能』に当てはまる

と主張したが、警察の初動捜査のミスで『ジャンピング現象で印象されたブレーキ痕』が
『存在しない』ことになっているから無理と言われてしまった。




ユニック製造会社に見ていただく

トラックのユニックが「右」に傾いて向いているが、
衝突の衝撃で曲がったものではない
ユニック製造会社に見てもらっている。
最初からこの状態で走行していたことが明らかに


病院からのカルテ・CT・レントゲン写真の開示請求

美紗に死因特定のための開示請求です。
カルテの解読やCTの見方を勉強し、さらに医師からの説明などから
美紗の致命傷は「左即頭骨のかい離骨折」と判明しました。
ろっ骨・四肢・骨盤などに骨折は一切ありませんでした。

 

江別渓和会病院 安田医師による説明の要約

1 病院搬入時間は、午前7時56分 死亡時間は、午前8時42分

2 来院時の意識レベル Ⅲ-300 (9段階の中で一番悪い)
コンプリート(完全に動かない)とカルテ記載

3 対光反射(ライトリフレックス) 瞳孔5mmに散大、
アブスント(反応ありません)とカルテ記載

4 脳幹の反射(頭を動かして目が伴って動くか) ネガティブ

5 脈は一時、30くらいになったが・・・

6 体からの大きな出血は無い

7 左右の耳から、髄液が大量に流れ出ていた
(気脳症・・・骨折により空気が入り髄液が出る事) 一番重症なタイプ

8 頭蓋底の骨折の骨折の可能性大
(検査では分からないが、頭蓋底骨折はあったと判断する)

9 頭部に傷および陥没は無い

10      肺挫傷の疑い 肺に空気の入りが悪い。レントゲンで見ると陰影が薄い

11 左側側頭骨の骨折あり
(側頭骨・・・耳の後ろの骨。蜂の巣状の塊で、簡単にはずれない)

12 右鎖骨の骨折あり

13      擦過痕はあるが、四肢に大きな外傷は無い(手足・骨盤の骨折は無い)

14      大量出血による腹部の膨れは無い

15 脊髄の骨折およびズレは無い



道路の傾斜・轍の測量

ユニックが大きく右に傾いて右に重心がある状態で走行していたことから、
トラックがブレーキ操作を行った際、タイヤはロックしていた(加害者も認めている)
事から、トラックは制御不能になり反対車線へと侵入したのではないかと考えました。
高速度走行による制御不能を立証するため(危険運転致死傷罪の適用を求めるため)
現場道路を交差点手前400mまで、電子計測器を用い道路傾斜などを調べました。
間隔は5mごとに左右路肩の白線・センターライン・車線中央部の5か所を測量。

すると、道路全体がトラック進行車線から反対車線へ大きく右に傾斜していました。
つまり、道路は平坦ではなかったのです。
危険でしたが、トラックの走行していた車線を同型車で走行させ
ハンドルを放すと、トラックは反対車線へと流されていきました。
わだちの深さは、2cm~4cmでした。



測量の結果、わだちも激しく、道路自体がトラックの走行車線から反対車線に向かい
大きく右に傾斜していることが、明らかとなった。



調査会社への依頼(H15.9.5)

被害者家族が写真を撮ったり証拠を集めても取り合ってもらえない可能性を考え、
民間調査会社へ証拠保全を依頼しました。
第三者の調査も客観性を持たせるため、公平性を保ためにお願いしました。
なので依頼内容は、「現場の証拠保全」であり、事件内容についてではありませんでした。

加害トラックは、事件当日に加害者の会社に返され、
真っ直ぐスクラップ場に運ばれている事が分かり、調査会社の方がすぐに写真を撮りに行きました

トラックの即日返還を警察に即刻抗議しましたが、

「写真取ってるから、トラックは返した」と言う答えでした。

さらに驚く事が、仮還付ではなく本還付だった事でした
事件態様に大きな疑問を持っていた私たちはトラックは大事な証拠。

処理しかしていない警察は
「捜査中の事故」と言いながら、加害トラックの廃棄処分を認めてしまったのです。

加えて、調査会社において、私たちが衝突位置や美紗の飛ばされた位置すら分からないため、
血液反応検査(ルミノール反応検査)を2回実施してもらいました。
警察の言うところからの血液反応はなし。
トラックの走行車線から見れば反対車線の道路脇から多くの血液反応が出たのです。
そして、美紗の転倒位置も特定しそこに花を供えることが出来るようになりました。

  事件目撃者にも現場に立ち会ってもらい、調査会社の人と独自の実況見分も行いました。

目撃者は横断を開始している美紗を交差点のかなり手前の地点から見ていました。
「かなり小さく見えた」と目撃者は証言しています。

時間経過から考えても道路幅を考えても、美紗は横断中に撥ねられたのではないと確信へと結びついていきました。


しかしトラックが反対車線にはみ出して曲がっていった理由についても
「ハンドルを右に切ったと言っているから右に行ったのではないか」と言うだけです。

反対車線にトラックがはみ出さなければ、美紗は今も生きていた。
意思で向っていったのなら「過失」ではないと訴えたが、全く相手にされません。

加害者は私たちに、
「思いっきりブレーキを踏んだのでタイヤはロックしていたと思う」と言っています。
ロックしていたらハンドル操作は効かないはずです。

「右に切ったといっているから」と加害者証言で答えを言われても、納得できるはずがありません。


どんなに疑問あっても、それが真相解明に絶対必要な事でも取り合おうとしない捜査機関。
「高速度により進行の制御が出来なくなり反対車線に突っ込んでいった」
としか考えられない状況や証拠しかないのにそれに目を向けてくれないのです。

一度作った書類の内容を絶対変えようとしない捜査機関の変な意地としか思えません。
後から新たな事実が出てきても当初の捜査内容からは変えない。
無理に型にはめようとするから、余計おかしな説明になるのはないでしょうか?

検察庁に事件が送致された後、警察は私たちに対し
「タイヤロックしてたら、ハンドル操作は効かないからね~」
「送致した事件のことだから、警察ではもうお話しすることは出来ませんけど」
怒るというよりもなぜか笑いそうになりました。