2009年10月23日 埼玉県熊谷市で発生の母子焼死飲酒事故
埼玉県熊谷市上根の市道交差点で23日夜、軽乗用車と乗用車が出合い頭に衝突、炎上し、
4人が死傷した事故で、死亡したのは軽乗用車の同市葛和田、派遣社員阿佐見信江さん(56)と、
次女のパート従業員恭子さん(27)だったことが24日、熊谷署の調べで分かった。
同署によると、乗用車を運転していた東松山市松山町、ブラジル国籍の会社員森山マキさん(31)の呼気から、
1リットル中0・35ミリグラムのアルコールを検出。
同署は、頭に重傷を負って入院中の森山さんの回復を待ち、道交法違反(酒気帯び運転)などの疑いで事情を聴く。
助手席の同市美土里町、塗装作業員降旗英雄さん(24)は手と胸に重傷。
埼玉地方検察庁熊谷支部にて
2010年1月27日 14時10分~ 酒気帯び運転(道路交通法違反)の初公判
4月28日 13時10分~ 自動車運転過失致死傷罪が追起訴されての公判
6月22日 13時10分~ 第3回公判 ・目撃者証人尋問(被告側主尋問)
・被告車両同乗者証人尋問(検察・被告側双方主尋問)
8月24日 13時10分~ 第4回公判 ・情状尋問(被害者参加人)
8月31日 13時10分~ 第5回公判 ・被告人質問
・意見陳述
*10月1日 被告人が保釈金を支払い保釈*
保釈されていた被告人はスーツで手首も自由な姿となり登場した
2010年10月26日 判決公判 懲役8年(求刑10年)
***********************************************
昨年9月、埼玉県熊谷市内の市道で赤信号無視を原因とした2人が死亡する事故を起こしたとして、
自動車運転過失致死などの罪に問われた32歳の男に対する判決公判が10月26日、さいたま地裁熊谷支部で開かれた。
裁判所は被告に対し、懲役8年の実刑を命じている。
起訴状によると、問題の事故は2009年10月23日の午後11時30分ごろ発生した。
熊谷市上根付近の市道交差点を進行していた乗用車と軽乗用車が出会い頭に衝突。
双方のクルマは大破し、軽乗用車に乗っていた同市内に在住する56歳と27歳の女性が車外に投げ出され、全身強打で死亡した。
乗用車を運転していたブラジル国籍を持つ32歳の男は酒気帯び状態に加え、
制限速度を大幅に超過させた状態でクルマを走らせており、現場の交差点にも赤信号を無視して進入していたことがわかった。
警察は男を自動車運転過失致死傷や道路交通法違反で逮捕。検察は道交法違反の罪で起訴し、その後に自動車運転過失致死傷でも追起訴している。
被告の信号無視や交差点進入時の速度が争点となっていたが、10月26日に開かれた判決公判で、
さいたま地裁熊谷支部の栗田健一裁判長は「事故当時、被告側の信号機は赤。交差点には90km/hで進入した」と認定した。
その上で裁判長は「被告は自動車の運転者として基本的な注意義務を怠り、
過失は極めて重大。2人が死亡した結果は取り返しがつかない」として、懲役8年の実刑判決を言い渡している
**********************************************
被告は控訴してきました。検察は控訴せず。
2年の減刑理由は「謝罪の言葉を口にしている」事と「任意保険に加入してる」事。
2年の減刑と理由に納得できない、最高刑へ1%でも可能性があるのなら最後まで戦いたい
との遺族の必死な訴えは検察に届かず「量刑が著しく不当とはいえない」とのことでした。 被告人は地裁において「弁護団」を法廷に並べ、傍聴席には知人友人を陣取らせている
異様な裁判を繰り広げました。
その被告が新たに弁護人をたて「事実誤認・量刑不当」で控訴です。
私たちは、被害者参加制度を行使し法廷の中で闘っているご遺族に変わり
傍聴席で亡くなられたお二人の遺影を抱き、裁判の行方を見守りました。
危険運転致死傷罪での起訴を求めていたご遺族の気持ちは届かず
自動車運転過失致死傷罪と道交法となった悪質飲酒事件。
法廷で「すいませんでした」と、一言、感情もなく言えば謝罪として認められ
約80%と言われる加入率の任意保険に入っていれば賠償できるからと減刑。
任意保険に入っていないで人を殺した人間の罪が一層重たくなるのならばわかりますが
入っているから刑が軽くなる判例が「保険に入っているから」と安易な気持ちにさせ
交通事故を軽視する風潮ができているように思います。
こんな減刑理由、いつまで続くのでしょうか。
控訴審の日時が決定しました。
東京高等裁判所
3月16日 午前10時30分~