鈴村幸子ちゃん 交通死事件


事故発生日時

平成16年10月22日(金)午後15時発生

東京都青梅市旧青梅街道と細い路地が交差する信号のない交差点

この日の事故現場は工事区間で片側通行だったため、車が停車していました。
交通整理員が誘導を行なって近所の方、友だち、お母さんの3人が誘導員の指示に従い横断。
少しして次に幸子がセンターラインまで出て行き、一度止まり左右を確認し
横断しようと道路に2、3歩、歩いたところを
工事区間にもかかわらず時速
80Km 85Km程のスピードで、
しかもセンターライン寄りを走行してきた大型バイク(
900CC)に衝突されました。

病院に到着1時間後には心臓が停止。
それでも、なんとか蘇生し、内臓摘出のための手術が始まった頃、
加害者は逮捕される事無く、病院へ来て怪我の程度を教えてほしいと騒いでいました。
ほぼ同じ頃、警察官も病院へ来て、
事故の原因は娘の飛び出しが原因でバイクは回避不可能であったと断定口調で話し、
私達が言う事には耳も貸しませんでした。

お友だちのお母さんの目撃情報と違う・・・。
それが、警察への不信感の始まりでした。
その夜のうちに2回目の緊急手術が行なわれたが、意識は戻らず、
終始左目から血の涙を流し続け、翌日
20時21分幸子は亡くなりました(新潟中越地震の日です)
最後に意識は無いはずなのに握っていた左手が私の手を握り返してくれました。
想像の出来ないほどの痛み。たった、7年の命、どんなに無念だった事でしょう。

この日から私達家族の生活が変わってしまいました。
(幸子ちゃんのお母さんより)


可愛がっていた弟と


警察官に再捜査を依頼するも
「娘さんの過失割合が不利になってもいいのか」
「そんなに生意気な事を言ってると不利な状況にするぞ」と怒鳴りつけ、机をたたく。
この時点で、警察はいくらでも「事件内容操作ができる」と公言しているも同然です。

さらに、警察が過失割合を言う事は職権逸脱行為と思い確認すると
「警察が過失割合を口にする事はいけないし、そのような事はない」
と回答しています(警視庁・警察庁に聞いてみました)
現場では過失割合のみならず「処分予想」まで言われているケースが多く見受けられます。
そこまで言うのであれば、調書開示を行うべきですが、刑訴法47条を盾に逃げる・・・

この事件も、警察は「加害者供述に沿った処理」をしたのでしょう。


そして、警察の追随に徹し「結論ありき」のお仕事をした検事。
・飛び出しは不起訴と法律で決まっている
・不起訴理由は法律で教えられない事になっている
と、「法律」という言葉で正当化し、説明義務を果たさないとは。

さらに任意提出した証拠品すり替わり、被疑者名の間違いでの「不起訴処分」
不起訴通知で「被疑者の名前が、幸子ちゃんの父親?」


検察庁から届いた「不起訴通知」
「宛名」と「被疑者名」が、父親の名前?!


この杜撰な「公文書」。担当検事は被疑者の名前を知らないのでしょうか?
他の人間による裁定を行わず処分決定をしたのでしょうか?
それとも被疑者「鈴村健一」として、捜査・書類作成が行われていたという事なのでしょうか?
「被疑者・鈴村健一」は、存在しませんので不起訴決定は、正しい判断ですが
幸子ちゃんを殺した真犯人の捜査はしなのでしょうか。

検察官は処分に際して,起訴なら起訴状を,不起訴なら不起訴裁定書を作成する。
不起訴裁定書は,起訴状と同等の重みを持つ文書。
不起訴裁定書によって不起訴の理由・根拠が明確にされているはずであり
それは、きちんと遺族に通知するべきが筋ではないか・・と思えてならないです。

しかし検察庁は、起訴に至らない段階における犯罪の嫌疑の有無に関するものであって,
関係者のプライバシーの保護の要請は「訴訟記録」より一層強く働くものと考えられること
当該事件自体が起訴されないものであるとしても,その記録が開示された場合には,
関連事件の捜査や公訴の維持等に支障を及ぼす可能性があるほか,他の事件においても,
開示されることを危惧し,その関係者が今後の捜査等への協力をちゅうちょすることなどによる
将来の刑事訴訟手続への支障のおそれも否定できないところである・・・と
情報公開法の適用を受ける行政文書には該当しないと主張していますが

捜査と処分の適正を担保するためにも,処分と同時に,少なくともこれら関係者には
公訴の維持と関係のない不起訴記録は開示されるべきであると思えてなりません。

遺族に送付されてきたこの書面では

犯罪の嫌疑がない場合(嫌疑なし)
被疑者が人違いであることが明白になったときなど、犯罪の嫌疑がない場合。
嫌疑が不十分な場合(嫌疑不十分)
捜査を尽くした結果、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なとき。
情状が軽く訴追の必要がない場合(起訴猶予)

のいずれの判断による「不起訴」なのか、全く分からない。


私は、法務省と最高検察庁に「不起訴となった事件被害者の知る権利」について質問をぶつけた。
・不起訴通知に「主文」は書かなくてもいい事になっている。
・「不起訴裁定書」は訴訟書類には当たらない。・・・が、各検察庁の判断。
 内部文書かな〜〜。行政文書かと聞かれても分からない。
・不起訴記録の開示請求を申し出てみてはどうか。
・不起訴裁定書は,不起訴記録の一部として保管されているから。
とまあ、曖昧な返答で、使えない法務省

最高検は、不起訴理由とかを教える、教えないも検事の裁量になるとのこと。
つまり、きちんと説明するもしないも、口頭説明か文書説明に応じるかも検事次第とのことです。
審査会申し立ても、一度審議したと受け付けないか、再度申し出に応じるかも審査会次第
と思われます・・・との返答。
不起訴事件被害者が、不起訴理由を知る術はなく、検察官次第ですと言われました。
不起訴事案は、プライバシー保護の観点から証拠開示も「客観的証拠」しか認めていないでしょう。
 
家族を殺されても、捜査状況は教えてもらええない。
訴訟にならない限り詳細を知ることはできない。
検察が「不起訴」としても、不起訴理由を知るすべはこの国にはないのです。
これは許されることでは、ありません。
切実に「捜査段階における調書開示」を現実化しなければ・・・・・
検察の一方的な「不起訴」を記した文書のみで、遺族が詳細を知るすべはこの国にはないのです。
この理不尽な、被害者に対する対応は許せません。
「不起訴」の上、情報の遮断を国が認めているのです。
せめて、適正な捜査だったのか、不起訴に至った理由の開示がなければ
犯罪被害者が前に進む道が閉ざされる・・・あまりに残酷な国という事です。

いずれにしても、この書面は検察がこの事件と真摯に向き合っていなかった証拠です。
そして7歳の尊い命が奪われた犯罪を「たった2行」で終わらされてしまった
遺族にとって納得できない非情で、理不尽な現実が記されています。


多数の目撃者証言を無視

「幸子ちゃんの飛び出し」と「処理」し、不起訴処分にした検察。
多くの目撃者情報、工事区間(片側側通行)の状況下で
徐行もせず速度超過。一体どこに不起訴理由があるのか理解できません。

速度超過・前方不注視の重大過失を、検察はなぜ認めないのでしょう。